プロに勝った。本年度の社会人野球表彰式が13日、都内で行われ、JR東日本・東條航内野手(27=早大)がベストナイン遊撃手として表彰された。「名誉な賞をいただけて、本当に光栄です」と白い歯を見せた。

最終3次選考には阪神3位のHonda・木浪聖也内野手(24=亜大)らも残っていたが、選考対象4大会15試合で無失策の守備などが評価され、東條が選ばれた。早大でも好守で目立つ存在だったが「社会人野球は1球1球に対する賭け方が違う。他の方の野球人生を背負っているつもりでプレーしています」とさらなる成熟を見せている。

桐光学園(神奈川)時代は「2番・遊撃」ながら、同姓の東條大樹投手(現ロッテ)がクローズアップされ、目立つ存在ではなかった。高校時代からこつこつ重ねる自主練習が、年を重ねるごと、徐々に花を開かせた。「成績が落ちたことがないんです。毎年上がってます。特にこの1、2年はすごく伸びたなと自分でも感じています」。

成長したからこそ、最後の壁の高さも感じる。「やっぱりプロ野球選手になるにはレベルが違うかなと」。神奈川の同期にはDeNA筒香がいるが「比べるのも失礼なくらいです」という。だからこそ、社会人選手として認められたベストナイン表彰はうれしい。「社会人野球をどう盛り上げていくか、そこに貢献していければと思います」。プレーも意識も、アマチュア界の「プロ」を目指す。