2軍の千葉・鎌ケ谷で腕を磨く若手や、ケガで調整中の注目選手たちなどの近況を報告します。

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日本ハム鈴木にとって待望の19年シーズンが幕を上げた。「早く試合で、どんどん投げたいです」。故障で1年を棒に振った昨季の悔しさを、2年目へ向けた原動力とする。ルーキーイヤーは開幕直後の4月にアクシデントが襲った。「大谷さんと同じ故障でした」。右肘靱帯(じんたい)を損傷。エンゼルス大谷はシーズン終了後に手術をしたが、鈴木は保存療法を選択した。リハビリに明け暮れた1年目だった。

マウンドに戻れたのは、昨年10月に宮崎で行われたフェニックスリーグだった。10月21日韓国ハンファ戦で2番手で登板し、1回無失点。「不思議な感覚で緊張した。腕を振れるか不安だった」。肘周りの筋力強化や投球フォームも見直して、こぎつけた復帰登板は上々の内容だった。「長いリハビリ期間で苦しい時もあったけど達成感がありました」と今季へ向けた光も差した。

11月の秋季キャンプでも手応えは深まった。「故障する前の4月くらいに投げていた真っすぐが、僕の野球人生の中で一番よかった。秋のキャンプで、だいぶ近づいてきた感覚はあった」と声も弾む。課題は「もっと強さを戻したい。あとは投げるスタミナです」と明確だ。

オフは4勤1休のペースで自主トレを行い、ブルペン投球も4勤の間で1度入れている。「再発はしないよう慎重に。実戦が始まったらアピールできるように準備したい」。キレのある直球と制球力を武器とする右腕は苦難を乗り越え、今季こそ1軍戦力となる。【木下大輔】