阪神の新入団選手の6人が7日、西宮市内の虎風荘へ入寮した。ドラフト4位の斎藤友貴哉投手(24=ホンダ)は既婚者ながら1年間の入寮を決意。自身と妻幸恵さん、息子の暖(だん)君の手形が押された色紙を持ち込んだ。

斎藤の大きな青い手形に、幸恵さんと暖君の手形が重なるように押された色紙。入寮前夜の6日に、幸恵さんからプレゼントされたものだった。「正直寂しい思いですが、『1年目は野球に集中させてくれ』と無理を言った。家族のためにも頑張りたいです」。単身赴任は強い覚悟の証しだ。

暖君は生後10カ月で、つかまり立ちができるようになった。かわいい盛りの息子に「パパ、頑張ってくるね」とさみしさをこらえて誓った。そんな斎藤に幸恵さんは「子どもは私に任せて」と力強くサポート。距離は離れていても、家族は大きな支えになる。

即戦力としても期待される最速153キロ右腕。「家族のためにもなんとか活躍して、子どもに誇れるような父親になりたい。まだ分からないと思うけど、成長していく中で覚えてもらえたら」。暖君が歩けるようになったら…。マウンドに立つパパの姿を見せたい。【磯綾乃】