パ・リーグの本塁打王が早くも柵越えを連発した。

西武山川穂高内野手(27)が8日、沖縄・宜野湾で自主トレを公開。“19年第1号”はアトムホームスタジアム宜野湾の左中間スタンドに放り込んだ。「50発。それしか考えていない。頭の中は打つことだけ。監督には申し訳ないですけど。大きく振れるようにする。シーズン中は小さくなりがちなので」。3時間に及ぶフリー打撃では柵越え68発。予行演習は済ませた。

自主トレでは休みゼロ。それどころか「一昨年から休んでない」。世も世ならブラック企業と言われるが、幸いにもここはエメラルドグリーンの海が広がる沖縄。プロ野球選手が冬に野球漬けの日々を送るには、もってこい。今季中に“勤続1000日”を迎える皆勤賞。すべては野球のためであり、本塁打を打つため。昨季の47本では満足しない。

イベント、テレビ収録が続くオフは「寝る時間を削って練習している。とにかく休まないこと。毎日野球です」。夜、寝るはずの時間でも部屋での素振りは当たり前。ついに先月、ハワイでの挙式後、部屋で練習を始めると新婦に「何やってんの!?」とあきれられても関係ない。「一緒に過ごしても、飯食いながら僕はホームランの動画見てますから。きっとつまんないと思いますよ」とスイング同様、豪快に笑い飛ばす。

目標達成となれば新パフォーマンスの「どすこいポーズ」は50回見られる。「打席に600回以上も立って、仕留め切れたのは47球ですよ。残り3本打てなかった。どんなに眠くても、二日酔いでも練習です」。山川の冬は熱い。【栗田成芳】