開幕初スタメンへ、日本ハム清宮幸太郎内野手(19)が2日のDeNAとのオープン戦(札幌ドーム)から再出発を切る。1日、札幌ドームでの全体練習に参加。春季キャンプの疲労を考慮されて回避していたフリー打撃を5日ぶりに再開し、守備練習でも問題ない動きを披露した。初招集された侍ジャパンの強化試合へ向けての調整とともに、昨季はかなわなかった開幕戦出場へ全力でアピールする。

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清宮のスイングが、数を重ねるごとに鋭くなった。5日ぶりに再開したフリー打撃。2月24日の巨人とのオープン戦(那覇)以来となる本格的なバッティングは「まだまだかなという感じですけど、悪くはなかったです」。計45スイングで右中間席中段への特大弾を含む3本の柵越え。「だんだん合ってきた」と最後は力強い打球を連発し、右手首を含めたコンディション面の不安をぬぐい去った。

完走した春季キャンプで蓄積した疲労も、かなり抜けてきたようだ。守備練習では一塁手として投内連係に参加後、左翼に就き、右へ左へ打球を追う“特守”を敢行。「だいぶ、いい感じで打球を追えています。(疲労は)もう全然、大丈夫です」とうなずいた。見守った栗山監督も「今日の動きを見ていたら大丈夫だね。投げることも含めて」と今日2日の試合から、再びスタメン起用することを決めた。

2年目で初の開幕スタメン奪取へ、ここからが勝負だ。昨季は3月中旬に限局性腹膜炎を発症。開幕1軍を逃した。今季はキャンプイン前は右手首痛に悩まされたが、順調に回復。米アリゾナから沖縄と渡った春季キャンプでも実戦計8試合にフル出場した。守備では一塁と左翼を並行して練習。チームでは中田が左内転筋の肉離れで出遅れている。開幕には間に合う公算が大きいが、清宮が体調面を含めて万全なら、主砲の動向に関係なく、開幕スタメンに名を連ねる可能性は高い。

もちろん、間近に迫った侍ジャパンとしての戦いもおろそかにできない。24年パリ五輪の追加種目候補から野球・ソフトボールが落選したことに言及。「残念だなと思った。そう考えると次の東京五輪が大事。ひょっとしたら、2度とないかもしれない。せっかくのチャンスをつかみたい」と意気込んだ。小休止は挟んだがリフレッシュは完了。清宮の勝負どころが、いよいよ始まる。【木下大輔】

 

清宮が人生初の名刺を手に入れた。札幌市内のホテルで「北海道179市町村応援大使プロジェクト」の決起集会に参加。2年目の今季は、上原とともに由仁町の応援大使として活動する清宮は、同町から特製の名刺を手渡されて「初めてですね」と笑顔。松村町長と談笑しながら、2年目の飛躍とともに同町のPRも誓っていた。