日本ハム清宮幸太郎内野手(19)が4日、都内の病院で右手有鉤(ゆうこう)骨の骨折と診断され、初選出されていた9、10日の侍ジャパン-メキシコ戦(京セラドーム大阪)の出場を辞退した。3日DeNAとのオープン戦(札幌ドーム)で負傷し、打席の途中で交代していた。全治など今後の見通しは不明だが、手術に踏み切る可能性が高い。過去の例から試合復帰まで2カ月程度かかるとみられ、開幕戦出場は絶望的となった。

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清宮は新千歳空港から1人で羽田行きの飛行機へ搭乗した。3日のDeNA戦でファウルを打った際、再び痛めた右手首の再検査を受けるため、チーム便より早く東京へ移動。右手で荷物を持つなど患部に痛みを感じさせるしぐさはなかったが、都内の病院で骨折という厳しい現実を受け止めた。全治などは不明だが、フル代表初参加を楽しみにしていた侍ジャパンの強化試合を辞退した。

2年目で初の開幕1軍、開幕スタメンも絶望的な見通しだ。日本ハムでは08年に中田が左手有鉤骨を骨折した際に骨片を除去する手術。試合で打席に立てたのは、手術から約2カ月後だった。16年4月に手術を受けた杉谷は約40日間のスピード復帰を果たしたが、一般的に完治まで2カ月程度かかる。開幕までは4週間を切っており、極めて厳しい状況だ。

慎重にシーズンへ向けた歩みを進めていただけに、悔やまれるアクシデントとなった。今回の負傷箇所は昨秋キャンプでも痛めていた。オフはギリギリまでスイングを我慢し、今春キャンプに何とか間に合わせていた。キャンプ中も状態を考慮しながら調整を進め、2日のDeNA戦(札幌ドーム)では「今季1号」となる特大本塁打もマーク。打撃も上向きだった中で、無念の離脱となった。

チームにとっても痛い。今季は主力の1人として、開幕から積極起用を考えていた栗山監督は「全て受け止めて、プラスに変えていくしかない。必ず、チームのために、幸太郎のためになるように。それを生かせるかどうか。オレも、幸太郎も試されていると思う。下を向いている場合じゃねえ」と話した。昨季に続いて開幕前に故障となったが、逆境を力に変えていくしかない。【木下大輔】

▽清宮のアクシデント

◆右手親指 昨年1月の新人合同自主トレ中、ダンベルトレーニングで右手親指付け根を骨挫傷。アリゾナキャンプでは1度もフリー打撃に参加できず。

◆急性胃腸炎 2月22日、2次キャンプの沖縄で腹部の不調を訴え、翌23日は点滴治療。

◆限局性腹膜炎 3月12日に遠征先の広島から帰京し、入院して点滴治療。

◆右肘炎症 7月上旬から約1カ月実戦を離れ、8月11日に復帰後も9月下旬まで指名打者や代打での起用が続いた。

◆右手首 昨年11月の秋季キャンプ中、右手首の違和感で大事を取り、12月上旬から約1カ月間打撃練習を回避。