プロ野球広島などでプレーした山中潔監督(57)が率いるノースアジア大が、開幕戦で富士大と対戦し、延長の末に敗退した。監督としての初陣を勝利で飾ることができなかったが、積極的な采配でリーグ戦10連覇中の横綱を苦しめ、存在感を見せつけた。

継投策が光った。5回途中まで1失点と好投を続ける先発の新田力斗投手(本荘=2年)が、1死から二塁打を打たれると、迷いなく交代を告げる。現役時は捕手として活躍。それだけに、投手を見る目は確かだ。山中監督は「試合前から継投でいく準備をさせていた」。9回まで、小刻みに中継ぎ4投手を動員し、富士大打線に的を絞らせず最少失点に抑え込んだ。

しかし、事前に塁が埋まっている延長タイブレークでは、勝手が違った。いきなり大量リードを許し、初戦を落とした。元プロの指揮官は「細かいミスが多かったが、まだリーグ戦は始まったばかり。これを明日につなげることが大切。選手はよくやってくれた」とねぎらった。【相沢孔志】