BS砲さく裂!! 広島が3番サビエル・バティスタ外野手(27)と4番鈴木誠也外野手(24)の今季初アベック弾などで勝利をつかんだ。

今季初めて連敗を阻止。12連戦の勝ち越しを決め、再び勝率を5割に戻した。開幕から広島打線は試行錯誤を続けているが、10試合続けて3、4番コンビを組んだ2人がアーチ競演でチームを勢いづけた。

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衝撃音が、ナゴヤドームに2度続けて響いた。1点を先制した直後の1回1死走者なし。まずはバティスタだ。中日ロメロの甘いスライダーを逃さずフルスイング。大きな放物線を描いて左翼席に吸い込まれた。続く4番鈴木は高め153キロを強振。鋭い弾道はセンターバックスクリーン左に突き刺さった。戦前まで2度の対戦で無得点に抑えられていた天敵ロメロに10試合連続コンビとなった3、4番の初アベック弾で強烈パンチを見舞った。

広島は開幕から打線を試行錯誤した。田中広や松山らの不振もあり、得点力に苦しんだ。ただ、4月29日ヤクルト戦からは3番からバティスタ、鈴木を並べた。開幕から安定する鈴木の前を打つバティスタの復調は4番に好影響を与えている。4年連続2桁本塁打となる10号に「バティに続いて入りやすい状態で入れたので良かった」と新相棒に感謝した。

4番の鈴木はバットだけでなく、足でも中日投手陣を揺さぶった。猛打賞となる右前打で出塁した8回。ロドリゲスから二盗、そして三盗を成功させた。「行けるところは積極的に行けた」とうなずいた。1回の先制点も四球から足を絡めて、菊池涼の二ゴロで奪ったもの。広島らしさが出てきた。緒方監督も「1回にいい攻撃がしっかりできた」と納得の表情だった。

ジェットコースターのように連勝と連敗を繰り返してきたが、今季初めて連敗を阻止。鈴木は「(シーズン)最初は打てませんでしたが、結果論ですから。あまりみんなは気にしていなかった。チームの雰囲気はずっと悪くなかった。143試合は長いので連敗もある。連敗を続けずにやっていきたい」ときっぱり。バティスタと3、4番を組んだ計14試合は8勝5敗1分け。まだ復調気配をつかめない選手もいるが、新たな3、4番コンビがチームに安定感をもたらしている。【前原淳】