「フレッシュオールスターゲーム2019」が11日、楽天生命パークで開催され、昨夏甲子園のスター競演で、全ウの広島小園海斗内野手(19)がMVPに輝いた。「1番三塁」で先発出場し、初回に右翼へ先頭打者本塁打を放った。83年広島定岡以来、36年ぶり。高卒ルーキーでは初の快挙だ。球宴明けから1軍に再合流する予定。11連敗中と苦しむチームの救世主になる。

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次代のスター候補がそろう大舞台で、小園が主役を演じた。待望した吉田輝との初対戦となった1回。昨年ともにU18日本代表で戦った球友の直球勝負に、フルスイングで応えた。ファウル、空振り、ファウルで迎えた4球目だ。高め真っすぐにバットを振り抜くと、鋭い弾道はそのまま右翼席に突き刺さった。フレッシュ球宴では83年広島定岡以来、36年ぶりとなる先頭打者本塁打は高卒ルーキーでは初の快挙。一気にMVPをたぐり寄せた。

「しっかり自分のスイングができたので結果につながった。全力で野球をやったら結果につながると思う。真っすぐが速かったので打てると思っていなかったけど、よく反応できたなと思います」

昨夏の甲子園を沸かした仲間が集結。試合前から旧交を温めた。「みんなプロのユニホームを着て、久しぶりだなと思いました」。試合が始まっても笑顔、笑顔、笑顔。再会を喜びながらも、主役の座は譲らなかった。大舞台には強く、特に初打席にめっぽう強い。報徳学園では3年夏の甲子園初戦、聖光学院戦で先頭打者で二塁打。広島でも初出場の6月20日ロッテ戦の第1打席にプロ初安打となる左前打で先制点につなげた。この日は2打席目も右前打を放ち、三塁守備も軽快。文句なしのMVP選出となった。

フレッシュ球宴明けから1軍合流が見込まれる。降格後2軍で全試合で安打を放ち、7月の月間打率は3割6分。今回のMVP獲得でさらにはずみをつけた。「これに満足することなく、リーグ戦に戻るので、1軍で活躍できるように頑張ります。1軍で結果を残すためにやってきた。自分がチームに貢献できるように。まだ新人なので元気を出して、声を出していきたい」。11連敗中のチームの重い空気を吹き飛ばし、再上昇させる新風を-。後半戦は1軍で主役を狙う。【前原淳】

◆MVP受賞の広島小園は賞金100万円をゲットした。使い道を問われると「考えます」と苦笑いしながらも「お父さんとお母さんに何か買ってあげたい」と答えた。この日、兵庫県から飛行機で駆け付けた両親に、先頭打者本塁打だけではないビッグなプレゼントを検討している。