5人の主力が帰ってきたソフトバンクが4点差をはね返し、2位日本ハムに4・5ゲーム差をつけた。スタメンに、ペルーでの国際大会から戻ったグラシアル、左肩痛と腰痛が回復した中村晃、左脇腹痛完治の福田の3人がスタメンに復帰。厚みが出た打線は、4点ビハインドの6回から難敵有原をとらえた。

この回先頭の8番福田が四球出塁。続く甲斐の2球目に二盗を決めると、直後の3球目に甲斐が「みんなが帰ってきたし、なんとかつなごうと」としぶとく中前へ適時打を運んだ。さらに内川、デスパイネの適時打で1点差に詰め寄った。

7回1死二、三塁では甲斐が中堅後方へ大飛球。中堅西川が一度はグラブに入れながら落球する珍しい犠飛失策。ここでも二塁走者福田が判断よく、勝ち越しホームに頭から突っ込んだ。福田は8回にもダメ押しの2点適時打。打って、走って故障完治をアピールする大活躍だった。

工藤公康監督は「よく後半に有原君を攻略してくれた。みんなの何とかしたいという思いが逆転につながった」と笑顔。グラシアル、中村晃にも安打が出て、今季2度目の先発全員安打だ。この日は出番がなかった川島は、ベンチで声を張り上げ盛り上げた。昨年陰のMVPと評価する工藤監督は「川島が戻ってきたことで、また(シーズン)最初のころに戻ってきた」と、2カ月ぶりの復帰を喜んだ。

7回には代走周東が二盗を決めるなど、留守を守ってきた若手も必死のアピール。岩崎、柳田の復帰も近づいている。故障者に泣かされ続けたソフトバンクが戦力を整え、混パを抜け出しそうだ。【石橋隆雄】