広島が2位DeNAに痛い星を落とした。6回に守備が乱れて同点に追いつかれ、8回に失策絡みで4点を勝ち越された。

先発床田寛樹投手(24)は7回2失点と奮闘したが、またも勝ち星に見放された。残り19試合で2位DeNAに3・5ゲーム差。苦しいチーム状況の中で踏みとどまってきたが、CS本拠地開催も危うくなってきた。

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痛恨の押し出し四球だった。2-2の8回2死。2番手遠藤がロペスに二塁打を打たれ、ソトを申告敬遠。ここから代打梶谷に四球で満塁。代打佐野にはフルカウントからカーブが高めに浮き、押し出しで勝ち越された。続く神里に2点中前打を浴び、中堅西川の悪送球の間に一塁走者の生還まで許した。この回4失点。つないできた希望が、一瞬でかすんだ。反撃及ばず、痛い一戦を落とした。

伏線は2-1の6回にあった。2死一、二塁の守りで、遊撃小園は中堅に抜けようという当たりに追いついた。体が中堅方向に流れながら素早く一塁に送球したが、これが大きくそれる悪送球となる。内野安打&失策で二塁走者の生還を許し、同点に追いつかれた。これが今季9個目の失策。好投を続けてきた床田の勝利投手の権利を消してしまい、思わず天を仰いだ。

勝たなければならない一戦だった。前カードの首位巨人戦で1勝2敗と負け越し、4連覇が遠のいた。落ち込む間もなく、本拠地で迎えたのが2位DeNA。3連勝して2位に浮上したかったが、思惑は外れた。この日は今季のキャッチフレーズ「水金地火木ドッテンカープ」をモチーフにした「ドッカンカープユニホーム」で戦ったが、ドカンと風穴をあけることはできなかった。残り19試合でDeNAに3・5差。優勝どころか、CS本拠地開催も危うくなってきた。

緒方監督は「床田もがんばってくれたし、最後までこういう展開の中で粘り強く戦ってくれた」とねぎらった。その上で「接戦を勝つためには、どうしてもミスが出たら流れが向こうにいってしまう」と話した。キーマン菊池涼が5回の打席で自打球を2回左足甲付近に当て、途中で退くなど、不安要素も増えた。広島が踏ん張りどころを迎えている。【村野森】

▽広島佐々岡投手コーチ(4失点の2番手遠藤に)「2アウトからロペスの(二塁打となった)球がもったいなかった。(申告四球後は)力むのは仕方がないけど、修正しきれなかった」

▽広島小園(6回に同点に追い付かれる悪送球)「対応しないといけなかった。練習からでもやれることはある」