日本生命の左腕高橋拓巳投手(25=桐蔭横浜大)がJR九州を6安打に抑え完封で準々決勝に導いた。

代打岩切を遊飛に打ち取ると、グラブをパーンとたたき喜んだ。「やっとチームの力になれたかな。率直にうれしいですね」と喜んだ。奪った三振は9個。「今日は直球がよかった」。最速は140キロながら、低めへの変化球を交え制球よくアウトを重ねた。

昨年は最速148キロ左腕としてドラフト上位候補だった。だが、指名漏れ。3年目の今季は春先に左肩を痛め3カ月投げられないなど苦しい1年だった。「(昨年だけでなく)今年もドラフトに指名されなかったことで吹っ切れた。肩を痛め、最初は怖さもあったが、今の方がしっかりスピンを利かせて押し込むことができている」と、球速よりもキレを求め、指先やしっかり上から投げることを意識した。

十河章浩監督(52)は「(JR九州が)左を並べてくるかと思い高橋拓に決めた。ドラフトに漏れたことを見返すという気持ちもあったんじゃないか。久々にこういう投球を見ることができた」とほめた。