八戸学院大(青森)「4番一塁」武岡大聖内野手(4年=生光学園)が、2安打3打点2四球の活躍で7回コールド勝ちに貢献した。1回裏に先制中前適時打を放つと、3回裏にはバットを折りながらも一塁強襲2点適時打。12日にプロ初打席初安打を記録したヤクルトの弟龍世内野手(19=八戸学院光星)にも刺激を受け、力に変えた。今秋にはプロ志望届を提出する意向。昨春に続くリーグ優勝と全国大会出場を導き、プロスカウトにもアピールする。富士大(岩手)、青森大も連勝発進した。

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八戸学院大の主砲・武岡が一塁塁上でガッツポーズした。1回に今季2戦目で初打点を挙げると喜びを表現。「開幕前からクリーンアップが打てていない中で、自分もようやく打てた。スカウトの方の目も感じてしまい、力みにつながってしまっていたが、『THE4番』の働きが出来ればプロになれると信じています」。打点にこだわった1本は、チームも勢いづけた。

3回にも四球を選び、打者一巡の猛攻を導いた。同回2度目の打席では1死二、三塁から内角を強振。バットは折られたが、一塁手を強襲する2点適時打。持ち味の長打ではなかったが、プロのスカウトの前でパワーも披露した。

今月12日、気持ちを高揚させる吉報があった。昨秋のドラフト6位でヤクルトに入団し、3年間は一緒に大学敷地内で切磋琢磨(せっさたくま)してきた龍世のプロ初打席初安打。巨人エース菅野智之投手(30)から二塁内野安打の姿は刺激になった。「ゾクゾクってしましたね。ちょっと悔しい気持ちもあったのですが、僕も早くあの舞台に立ちたいという思いが、さらに強くなりました」。コロナ禍自粛期間中は、ヤクルト大松尚逸2軍コーチの指導のもとで成長している弟の映像も入手し、参考にした。「左脇を上げて足も上げて」。取り入れた新打撃フォームも手応えを得つつある。

昨春は主力で11季ぶりのリーグ優勝を達成した。だが、全日本選手権初戦で2安打3打点と活躍も、チームは3-4のサヨナラ負け。屈辱も忘れていない。先発で5回1安打無失点と好投した最速145キロ左腕・中道佑哉(4年=八戸学院野辺地西、東北写真に題字)、前日22日に7回参考ノーヒットノーランの最速150キロ右腕・大道温貴(4年=春日部共栄)らを中心にリベンジを誓う。「大学でここまでのダブルエースはなかなかない。打では僕が打ち、全国有数の大学に勝って終わりたい」。次は兄が弟に吉報を届ける番だ。【鎌田直秀】