都市対抗埼玉県大会第1代表決勝戦で、日本通運がサヨナラでホンダを破り、第一代表で南関東大会出場を決めた。

2-1で迎えた9回裏、日本通運は、1死二塁から森松裕次郎内野手(26=九産大)が左中間を破る適時三塁打を放ち同点。続く木南了捕手(28=帝京大)が四球を選び1死一、三塁とすると、高橋俊外野手(26=流経大)の一ゴロ野選で森松が生還し、逆転サヨナラ勝ちした。

値千金の同点打で、最優秀選手賞を受賞した森松は「監督が代わり、前のチームとはまた違うチームに生まれ変わったと思います」と話した。今年1月1日、沢村幸明監督が就任。沢村監督は「やるのは監督、コーチではない。君たちだ。都市対抗、日本選手権の舞台に立つイメージをもってやりなさい」と選手たちに言い続けてきた。

自然と声が出るベンチは、劣勢でも、選手同士で支え合う雰囲気ができた。それぞれが持つ個性、力を発揮することで、粘り強さが生まれた。森松は、自分で考えて練習に取り組むようになり、今まで以上に感覚を大事にした。どんな場面でも、自分のスイングに集中することで、チャンスに強くなった。「今日の同点打も、スライダーに体が反応してくれた」とその教えを生かした。

沢村監督は「粘り強くやってくれたのは収穫。勝ちきれたのは大きい。都市対抗出場の第一代表をとる気持ちで準備をしていきたい」と力強く話す。走りだした沢村監督率いる日本通運は、都市対抗野球の頂点を見つめている。

なお、10月2日から開催される南関東大会へは、第1代表を決めた日本通運、第2代表のホンダ、3位決定戦で深谷組に勝利したオールフロンティアが第3代表として出場する。