チームイチのがむしゃら男の一打が、ENEOSの5年ぶり50回目の本戦出場を決めた。

3-3で迎えた延長12回2死一、三塁。小豆沢誠内野手(25=上武大)は「絶対に自分で決める」と、5球目の真ん中低めのボールを右翼線へ運んだ。決勝の2点適時二塁打に「打った瞬間、すぐに抜けるとわかった」と、二塁ベース上で大きくガッツポーズ。「気持ちよかったです」と笑顔をみせた。

1球への集中力を発揮した。今年6月、「人生で初めて」という1000本ノックを経験した。ノッカーの大久保秀昭監督(51)が「もう止めるか?」と叫ぶと、小豆沢は「まだまだ!」と応える。監督と選手の根比べは、約5時間にも及び、小豆沢の足の裏の皮がむけるほどだった。しかし、この厳しい練習を乗り越え「ここぞ、という時の守備では体勢を低く入れるようになった」と大きな自信と、集中力を手に入れた。

チームは都市対抗野球で優勝11回を誇る名門ながら、ここ4年間は出場を逃してきた。小豆沢は「試合中は、会社の人たちをドーム(都市対抗野球)に呼ぶ、とだけ考えてプレーしていた」と熱い思いを口にした。「本戦でも、かっこつけずに、大声を出してがむしゃらにやりたいです」。汗まみれの顔でニッコリ笑った。