立正大の渡部勝太投手(4年=上尾)が、3安打無四球で18年春以来となる完封勝利。立正大は昨秋優勝の中大に2連勝した。

9回、渡部は最後の打者を中飛で打ち取ると、右手でガッツポーズ。駆け寄った立松由宇捕手(4年=藤代)とハイタッチ。「うれしいです」と笑みがはじけた。

丁寧に打ち取った。真っすぐとツーシームを軸に「外から入る球と、逃げる球がうまく使えた」とコースに投げ分けた。打たれた3安打のうち2本は、ドラフト候補で俊足の五十幡亮汰外野手(4年=佐野日大)。「ランナーが出たときは心臓がバクバク。でも、その緊張がよかったと思う」と、続く森下翔太外野手(2年=東海大相模)をスライダーで二ゴロ併殺に打ち取り、ピンチをしのぎ、二塁さえも踏ませなかった。

チームメートの存在を刺激に変えた。エースの糸川亮太投手(4年=川之江)とは入学時から共に投げ合い、切磋琢磨(せっさたくま)してきた。通算勝利数も、糸川の9勝に対し、渡部は8勝目。「糸川、倉田と3人、お互いに頑張ろうとやってきた。僕は、2つのお手本があると思っています」。

この日も糸川からの「最初から飛ばしていけ」というアドバイスを生かし、初回から全力投球。打たせて取ることで球数は103球。8回には、この日の最速147キロを記録するなど、最後までスタミナを切らさず。勝負から逃げず、丁寧に自分の球を投げきった。

坂田精二郎監督(46)は「今日の渡部は思い切って攻めてくれた。こういう守り勝つ野球をやりたかった。最高のゲームです」とたたえた。「4年になって(完封)できた。うれしいです」。渡部はラストシーズンを全力で駆け抜けている。