星槎道都大が7勝で並んでいた北海学園大を2-1で下し、19年春以来、秋は2年ぶりのリーグ制覇を果たした。0-1の5回2死一塁、今秋デビューの岡崎翔太右翼手(2年=北照)が逆転の左越え1号2ランを放ち、勝利を呼び込んだ。明治神宮大会出場をかけ、北海道6大学リーグ優勝の苫小牧駒大との代表決定戦(10月12日開幕、苫小牧・とましんスタジアム)に臨む。

     ◇     ◇     ◇

星槎道都大が、開幕戦の雪辱を果たした。1年生右腕、伊東佳希(旭川北)が最後の打者を二ゴロに打ち取ると、ナインにスーツ姿のマネジャーまでまじり、マウンド上に歓喜の輪が広がった。9月1日のリーグ初戦は同じ北海学園大相手に、無安打で0-7の8回コールド負け。二宮至監督(66)は「よく打つ相手というのは分かっていたが、本当に、しんどい試合だった」と安堵(あんど)の表情を見せた。

“新戦力”が勝負どころで爆発した。1点ビハインドの5回2死一塁、4番岡崎が左翼スタンドに逆転2ランを放り込んだ。北照の4番として18年夏の甲子園に出場。卒業後、横浜商大に進学も「思い描いていたのと違った」と今春から、星槎道都大に編入した。開幕時は不調でベンチスタートも、3戦目から4番に入った男が、自身1号弾で勝利を引き寄せた。

直前に二塁走者の冨山将太左翼手(4年=水戸葵陵)がけん制死。岡崎は「僕はここに拾ってもらった。冨山さんには同じポジションで教えてもらったりお世話になっていた。何とかカバーしたかった」。1ストライク後、二宮監督は伝令を通じ「三振でもいい。思い切って振ってこい」と後押し。監督の直感、先輩への恩返し、さまざまな思いを乗せた1発だった。

2戦目から8連勝で一気に頂点へ。初戦の完敗直後、普段は温厚な指揮官が選手を集め「野球はけんかだ。闘争心のない者は去れ」と怒号を飛ばした。相手の厳しい内角攻めで8回までに6死球を受け、冷静さを失い敗れた選手たちに、あえて強烈なムチを用い闘魂注入。見事に立て直した。

明治神宮大会の代表決定戦の相手は最速155キロのドラフト候補右腕、伊藤大海(4年=駒大苫小牧)擁する苫小牧駒大だ。岡崎にとって函館東リトルシニア時代の先輩で、7月の練習試合は3三振を喫した。「悔しい思いをした分、イメージはある」。次は北の豪腕を打ち崩し、神宮切符をたぐり寄せる。【永野高輔】

○…星槎道都大の1年生右腕、伊東が9回8安打1失点完投で優勝に貢献した。「4年生とまだ野球ができてうれしい」と笑顔で振り返った。3回無死から四球で走者を出し1失点。5回終了後にはエースでドラフト候補の河村説人(4年=白樺学園)から「力みすぎず8割の力で」とアドバイスを受け修正した。「説人さんのおかげ。岡崎さんも勝負どころで打ってくれて、さすがだなと思った」と感謝した。