同率で並ぶ首位攻防戦は、日大国際関係が静岡産大に連勝し、2季ぶりの優勝へ大きく前進した。先発の臼井健雄投手(4年)が、8回5安打無失点の好投。相手先発との投手戦を制し、チームを単独首位へ押し上げた。東海大海洋は静岡大の猛追を振り切り、連勝。2位タイへ浮上した。両校は、10日からの最終週2連戦で直接対決する。

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日大国際関係の臼井が、単独首位浮上に貢献した。1点リードした8回裏2死一、二塁、捕手のサインに首を振って直球勝負。相手4番を遊ゴロに打ち取った。「要所で真っすぐが効いた。打者を押し込めた」。最速144キロの直球がさえ渡った。

悔しさを力に変えた。先月27日の静岡大戦に先発し、7回途中6失点で降板。自己ワーストの7四死球を与えた。チームの今季初黒星(1●6)につながり、「迷惑をかけて申し訳なかった」。静岡産大戦に向けて、あえてど真ん中に構えた捕手を目がけて投球練習を繰り返し、強気の姿勢を取り戻した。「前回は丁寧になりすぎた。今回は良い意味で割り切り、ストライクゾーンで勝負できた」とうなずいた。

打線も2本の適時打で、好投に応えた。4回に先制適時打を放った客野祐太朗内野手(2年)は「投手が無失点で踏ん張っている中、援護できて良かった」と満足げだった。

最終週は2位東海大海洋と対する。連勝すれば無条件で2季ぶり25度目の優勝が決まる。松崎裕幸監督が「守りに入らずに戦いたい」と話せば、臼井も「勝つしかない。ベストの状態で臨めば恐れることは何もない」。強豪校の風格を漂わせた。【古地真隆】