中日高橋周平内野手(26)が、チームに8年ぶりのシーズン勝ち越しを届けた。4-4の同点で迎えた8回1死走者なし。カウント1-1から、5番手伊勢が投じた外角へのフォークに反応。左翼最前列へ17試合ぶりとなる7号決勝ソロを運んだ。

「イメージと違うバッティングだった。たまたま入ってくれた。よかったです」。中日のシーズン勝ち越しはルーキーイヤーの12年以来。ドラフト1位入団した高橋も悔しさを味わい続けたが今年、ついにその壁を破った。

決勝弾を含め今季9度目の猛打賞をマーク。打率も3割3厘に上げ、プロ9年目で初の年間3割超えにも大きく前進した。「意識しています。到達させて欲しい」。残り3試合、執念で達成する意気込みだ。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が遅れ、過密日程で117試合を消化した。連戦の疲れから、10月下旬から不調だった打撃も2試合連続マルチ安打で再上昇。終盤の踏ん張りどころで、最後の力を振り絞っている。「体のバランスが良くなかった。いろんなケアをしながら、体の方も戻ってきました」。

残り3試合。チームは1引き分け以上で8年ぶりのAクラスが確定する。「残り試合も少ない。調子どうこうじゃない。(Aクラスに)入れないより、入った方がいい」。まだ逆転2位の可能性もある。来季V奪回の足がかりとするためにも、キャプテンが猛打で引っ張る。【伊東大介】