91年ぶりの大決戦だ。東京6大学野球は7日から最終週の早慶戦を迎える。首位慶大は6勝2分け、3位早大は5勝3分けと、ともに負けなし。リーグ戦で早慶両校の無敗対決は、最初のカードで対戦したケースを除けば29年(昭4)春秋以来、実に91年ぶりとなる。初戦先発は、早大が楽天1位指名の早川隆久投手(4年=木更津総合)慶大はヤクルト1位の木沢尚文投手(4年=慶応)。2人が先発で投げ合うのは初めてで、ドラ1エース同士のぶつかりから幕が切られる。【取材・構成=古川真弥】

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15年秋以来10季ぶりの優勝へ、初戦を託すのはこの左腕しかいない。早大・小宮山悟監督(55)は「今から宣言しておきます。土曜(7日)は先発早川。そこで勝てば、日曜の9回裏、状況によっては7回、8回から、胴上げ投手に早川でいきます」。逆転優勝には1敗も許されない。エースをフル回転させる。早川は「1戦目、自分が投げ抜き、相手を寄せ付けずにもう無理だと絶望感を味わわせ、2戦目に入れれば」と表情を崩すことなく、決意を口にした。

同じドラフト1位指名を受けた木沢と、初めて先発で投げ合う。「意識はない」が、力は認める。昨秋の慶大2回戦。2イニングで6三振を奪われた。「早慶戦は気合の入り方が半端ない。もう1人の木沢がいると感じました」。その後、大学日本代表選考合宿でともに過ごし「ストイックな選手」と一面を知った。相手に不足無しだ。

91年ぶりの早慶無敗対決は、学生野球最後の2試合でもある。「想定以上に緊迫した試合になると思います。早稲田の一員として、集大成として早慶戦に勝ち、監督さんを胴上げしたい」と気迫を込めて言った。

◆優勝の条件 今秋リーグ戦は、2回戦総当たりのポイント制(勝ち1点、引き分け0・5点、負け0点)で実施。優勝は早慶に絞られている。首位慶大(7点)は1勝、または2分けで優勝。3位早大(6・5点)は逆転優勝には2勝または1勝1分けが必要で、1敗もできない。