91年ぶりの大決戦だ。東京6大学野球は7日から最終週の早慶戦を迎える。首位慶大は6勝2分け、3位早大は5勝3分けと、ともに負けなし。リーグ戦で早慶両校の無敗対決は、最初のカードで対戦したケースを除けば29年(昭4)春秋以来、実に91年ぶりとなる。初戦先発は、早大が楽天1位指名の早川隆久投手(4年=木更津総合)慶大はヤクルト1位の木沢尚文投手(4年=慶応)。2人が先発で投げ合うのは初めてで、ドラ1エース同士のぶつかりから幕が切られる。【取材・構成=古川真弥】

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昨秋以来2季ぶりの優勝へ、初戦を託すのはこの右腕しかいない。慶大・堀井哲也監督(58)は「木沢は1試合目は先発で、2試合目はリリーフ。相手打線の調子、展開を見て、ここだ、というところでいってもらいます」。1敗もできない早大に対し、エースで機先を制する。木沢は「早川君から何点も取るのは不可能に近い。勝つなら接戦。先制点を取られても、1イニングでも多く、ひたすら僕が粘っていけばチャンスは来る」と冷静に描いた。

同じドラフト1位指名を受けた早川と、初めて先発で投げあう。「意識はない」が、力は認める。「これだけ注目されながらも1年間、成績を残し続けるのは本当にすごい。精神力、コンディションに左右されない」と素直に言った。昨秋の大学日本代表選考合宿でも言葉を交わし「技術、ボールは言うまでもない。考え方のレベルも高い」と知った。相手に不足無しだ。

91年ぶりの早慶無敗対決は、学生野球最後の2試合でもある。「特別な試合だからこそ、当たり前の事ができるか問われるのが早慶戦。集大成ではあるけど、普段通り投げるのが大事」と肩の力を抜いて言った。

◆優勝の条件 今秋リーグ戦は、2回戦総当たりのポイント制(勝ち1点、引き分け0・5点、負け0点)で実施。優勝は早慶に絞られている。首位慶大(7点)は1勝、または2分けで優勝。3位早大(6・5点)は逆転優勝には2勝または1勝1分けが必要で、1敗もできない。