DeNAのタイラー・オースティン内野手(29)が来季も残留することが9日、分かった。今季はけがによる度重なる離脱もありながら出場65試合で20本塁打、56打点をマーク。球団は、抜群の破壊力を誇る“強力助っ人”の残留交渉を水面下で進めていた。来季2年契約2年目のエドウィン・エスコバー投手(28)も残留が決定。近日中にも球団から正式発表される。

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DeNAが「ハマのオースティンパワーズ」の残留交渉に成功した。球団は、オースティンとシーズン終盤から継続的に交渉を続けてきた。昨オフに大きな期待を背負い、単年契約で加入。来季以降に関して、年俸1億1000万円、さらに22年までの契約延長オプションを球団が保有する形で交渉をまとめた。三浦大輔現2軍監督を指揮官に据える新体制が決定的になっている来季の打線の骨格を担うピースを確保した。

オースティンは来日1年目の今季、2月のキャンプ中の巨人とのオープン戦での衝撃的な“来日1号”を皮切りに、規格外のパワーを披露してきた。度重なるけがによる離脱で65試合の出場にとどまったが、限られた打席で20発、56打点をマークした。通常シーズンの試合数で体調が万全なら40発超のペースで本塁打を量産し、100打点超の実力を示した。現役時代はNPB屈指の助っ人として活躍したラミレス監督が「ロペス、ソトと比べても1段階、2段階上のレベル」と評価する打撃技術も併せ持つ。

チームは4番佐野が飛躍のシーズンにつなげ、リードオフマンとして打線をけん引した梶谷が完全復活。ポイントゲッターとして宮崎が役割を果たし、ソト、ロペスの外国人も打線を強固に支えた。9日時点でチーム打率2割6分6厘はリーグトップで、135本塁打も巨人と並びリーグトップ。オースティンの残留で「ハマの強力打線」継続に当確ランプがともった。

また、3年連続50試合以上登板のタフネス左腕エスコバーも、年俸1億6000万円で残留が決定。新生ベイスターズで迎える来季への準備が着々と進んでいる。(金額は推定)

◆タイラー・オースティン 1991年9月6日、ジョージア州生まれ。10年MLBドラフト13巡目でヤンキース入団。16年8月13日レイズ戦でメジャーデビュー。ツインズ、ジャイアンツ、ブルワーズでプレーし、メジャー通算209試合で33本塁打、91打点、打率2割1分9厘。19年11月に1年契約でDeNA入り。188センチ、100キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1億円。