阪神藤原崇起オーナー(68=電鉄本社会長)が来季のG倒優勝を厳命した。

今季は昨季よりも順位を1つ上げて2位でフィニッシュ。ただ、開幕から独走を許した原巨人とは1度も優勝争いを演じることもできなかった。両軍の違いを経験の差と分析した同オーナーは「チームとして勝ち切る。この力がいっそう強まるように練習に励んでいただく」とハッパを掛けた。

手応えは感じている。今季は開幕から2勝10敗と大失速したが、コロナ禍の逆風にも耐えて2位までたどり着いた。矢野監督にとっては難しい舵取り役だったが、「大久保利通が『これがダメなら次善の次善』というようなことを言っていましたが、それを地でいくような粘り強いことをやってもらっています」と評価。3年目の開花に大きな期待を抱く。

後方支援も惜しまない。今季はプロ野球界にとっても球団経営に影響を及ぼしかねない非常事態だったが、同オーナーは来季の補強費について「ご心配にはおよびません」と断言した。近大・佐藤輝の仮契約というハレの日とも重なったこの日、虎の総帥も意気揚々。「巨人に負けんぞ! って書いといてください(笑)」と力強く宣言した。【桝井聡】

▽阪神揚塩球団社長(シーズン終了報告後の会見で)「さきほど矢野監督と藤原オーナーにシーズン終了報告に行ってまいりました。矢野監督からは、今シーズンを振り返り、チームの課題と先日のドラフトの結果も含めたこれからの話をいたしました。オーナーからは『特別なシーズン、厳しい状況の中、最後まで粘り強く戦ってくれた。引き続き来季も頑張ってほしい』という、お言葉をいただきました。来シーズンこそ優勝してファンの皆様に喜んでいただけるよう、今季の課題を検証し、チーム力の強化に取り組んでまいります」