ヤクルト清水昇投手(24)が、30ホールドポイントで最優秀中継ぎに輝いた。

今季チームトップの52試合に登板し0勝4敗、防御率は3・54だった。「昨年はふがいない成績だったので、今年はキャンプから何とかして結果を残したいと思い必死で準備して登板に挑みました。良い結果となって今年自分にとって一番のうれしいニュースとなりました。いろいろなチーム状態がありながらも私を使ってくれた監督、コーチ、チームの皆様に感謝いたします」と球団を通じてコメントを発表した。

ヤクルトでの同タイトル獲得は、18年近藤一樹投手以来となる。

清水は、国学院大から18年のドラフト1位で入団。1年目の昨季は、2試合の先発を含む6試合に登板し0勝2敗だった。大卒1年目、先発での即戦力として期待がかかっていた。他球団の同期はDeNA上茶谷、西武松本航、ソフトバンク甲斐野、中日梅津ら。前評判通り、1年目からチームの力になり活躍していた。気にしたくなくても、結果は目に入る。「球の強さ」を求め、もがいた。

焦る清水に、担当の丸山スカウトは「2年目からが勝負だ」と言い続けた。なぜヤクルトが、ドラフト1位で指名したのか。キレのある直球。抜群のコントロールを評価したからだ。周りは周り、自分は自分。しっかりと見つめ直して、2年目を迎えていた。

春季キャンプ最終日、最後までブルペンに入っていたのが清水だった。77球を投げた。厳しいキャンプを過ごし、体の疲労はピークに達している。だからこそ、投げたかった。「疲れているので、疲れている時にどれだけいい感覚で投げられるか。感覚は、去年よりよくなっている」と手応えをつかんでいた。その後、実戦を積み重ねて手応えは自信になった。「チャンスをもぎ取りたい。ポジションにこだわらずに、1軍に生き残りたい」と心に誓った。

迷いなく腕を振ることで、球速も上がり、球の力も増した。2年目も初勝利は飾れなかったが、勝利の方程式の一角として、フル稼働した。丸山スカウトは「(先発の)想定していたイメージとは違う形での活躍となったが、チームに貢献している、貢献できていることに変わりはないので、とてもうれしく思う」と話していた。

少し遠回りをしたかもしれないが、2年目でのタイトル獲得は十分に胸を張っていい。【保坂恭子】