今季から本格的に先発再転向するオリックス増井浩俊投手(36)が12日、大阪・舞洲の球団施設で自主トレを公開した。

ネットスローやランニングで汗を流し「先発を目指して調整するのは(10年の)ルーキーのとき以来。新鮮な気持ちで自主トレができている。また新しいチャレンジをする気持ちに近い」と話した。

狙う記録がある。NPB史上初となる「全12球団勝利&12球団セーブ」だ。増井はすでに12球団セーブを達成。白星は残りヤクルトの状態で「難しいとは思うけど、まだ12球団セーブと12球団勝利の両方をやった人はいないという記事も見たので、できたら最高だなと思いますね」と意気込んだ。昨季は新型コロナウイルスの影響で、セ・パ交流戦は中止となったが、今季は5月28~30日にヤクルト3連戦(京セラドーム大阪)が組まれており、達成する可能性は十分ある。

苦い記憶もある。「ルーキーのときの神宮で、ヤクルト戦で先発をしたこともあるんですけど…。その日の1イニング目で肩を痛めて、半年ぐらい投げれなかったんで。あそこで勝ってればなと思ったんですけど、やり返して12球団勝利を達成できれば最高かなと思います」。日本ハム在籍時の10年6月15日のヤクルト戦(神宮)で先発したが、1回11球で降板した過去があるだけに、リベンジしたいところだ。

近年のヤクルト打線の印象は「村上くんがやっぱりすごいなっていうのと、僕は山田哲人くんが最強バッターだと思っている。その2人が打線にいるっていうのは怖いなと思います」と明かした。

通算163セーブをマークしている右腕は「1年間、ローテーションを守りたい。そのためには半分以上は勝たないと。勝率5割以上はないとまわれないと思うので、そこを目指したい」と先発再転向する21年を見据えた。【真柴健】