本州最北端県から心機一転、関西の地で再出発する。プロ志望届を提出した弘前東(青森)の藤田青空(そら)捕手(3年)が今季、独立リーグの堺シュライクス(大阪)に入団する。昨年のドラフトでは育成指名も視野に入れながら、悔しい指名漏れ。さらなるレベルアップを図り、今年のドラフトでNPB入りに再挑戦する。

自信と課題が明確になった。昨年9月のプロ志望高校生合同練習会では、二塁への送球タイムで1秒87をマーク。「肩だけなら、他の選手にも負けていない」と手応えを感じる一方で、実戦形式のシート打撃では「全く打てなかった」。140キロ後半の直球に反応できず、東京ドームに快音を響かせることができなかった。「当てにいく打撃をしてしまった。今後は自分のスイングで、どこまで捉えられるのか」。打撃力向上なしに、指名はないと自覚する。

悔し涙を、うれし涙に変える。ドラフト会議当日は、苦楽をともに過ごした3年生の仲間が駆けつけた。1位指名から待ち続けたが吉報は届かなかった。「悔しくて、悔しくて」と人目をはばからずに涙した。1月末に故郷を離れ、人生初の寮生活をスタートさせた。「1年目からが勝負。即レギュラーを取るつもり」と闘志を燃やす。

どでかい夢がある。「世界大会でMVPを取れる選手になりたい」。最終目標はWBC、プレミア12など、世界最高峰の舞台で活躍することだ。壮大なスケールで、大逆転ドラマを描いていく。【佐藤究】