新規社会人野球チーム茨城日産の対外試合初安打を放ったのは、苦労人のキャプテンだった。

2回1死走者なしで、5番左翼の田中悠也外野手(23=麗沢大)がチーム初安打。左中間に落ちる当たりを滑り込んだ相手中堅手がはじくのを見て、一気に二塁へ到達した。

3月末に全員集合し、スタートしたばかり。全25選手のうち、新卒が23人。残り2人のうちの1人が、田中悠だ。他の選手より1年早く入社したのは、野球チームができると聞いたからだ。「野球が出来ると聞いて。1年間、厳しい状況の中でも、会社の方に手伝っていただき、練習してきました」と振り返った。もう1人の選手とともに、キャッチボール、打撃練習、ノック、ベースランニングなど、限られたメニューを続けた。同時に、販売店に営業マンとして勤務。既に数台、車を販売した実績をつくった。

新たな仲間が増え、キャプテンという重責も任された。「1年半、やってなかったので、待ち望んだ試合でした。うれしいです。最初に1本打って、キャプテンとして引っ張ることができて良かったです。チームとしては都市対抗出場、個人としては茨城を代表する選手になれるよう、頑張ります」と決意を口にした。【古川真弥】