先制ホームを踏んでベンチに戻ってきた慶大・広瀬隆太内野手(2年=慶応)は、堀井哲也監督(59)に聞いた。「今のバッティング、良かったですか?」「それでいいぞ」。

開幕から前の試合まで安打は1本のみ。13打席で7三振を重ねた。昨秋は主に3番を任され、2本塁打、打率3割5分1厘を残したが、1番となった今季は不振スタートだった。だが、堀井監督の言葉で救われた。「ボール球を振っているだけ。振っていないより、いいよ」。バットが出なくなるより、ボール球でも振っていく姿勢を評価された。「消極的にならず、初球からどんどん振っていこう」と思えた。

技術面でも修正を加えた。打席での顔の角度を調整し、ボールを両目で見る意識を取り戻した。すると、初回先頭で左中間二塁打。9回も先頭で左中間二塁打を放った。いずれも、4番正木の適時打で生還。1番が先頭で出て4番がかえす理想的な攻撃だった。

堀井監督は、パワーヒッターでもある広瀬を1番に使う意図を、こう説明した。「9イニングしかない。1打席でも多く打つ方がいい。いい投手に当たると、4打席あるか、ないかなので、力のある打者を1番に置きたい」。今季は延長がなく、9回まで。1発長打もある広瀬を1番に据え、相手にプレッシャーをかける。狙いがはまり、1敗した後は3連勝。立大に続く2位をキープした。

 

▼明大・田中武宏監督(開幕から35イニング連続出塁もわずか1得点で連敗)「きのうも今日も立ち上がり、打たれてはいけない打者に打たれた。守りもお粗末。球際の差が出ました」