新エースがリーグ制覇に導く。札幌6大学野球春季リーグ戦が5月1日、札幌円山で開幕する。昨秋、デビュー戦で初勝利するなどリーグ最多4勝を挙げ新人賞に輝いた星槎道都大の伊東佳希投手(2年=旭川北)が、2季連続のリーグ優勝を目標に掲げた。昨秋の最高殊勲選手で、ロッテ入りした前エース河村説人投手(23)からチームに、投球回転数計測器ラプソードが贈られた。貴重な贈り物を生かし磨いた投球を、マウンドで披露する。

2年生エースがチームをけん引する。伊東は開幕に向け「2季連続のリーグ連覇は最低限の目標。優勝して全国に出て勝てるようになりたい」。昨年は春の全国大学選手権も秋の明治神宮大会も中止となった。旭川北3年時には早大進学を目指したこともあり「大学選手権に出て早大と戦ってみたい」と目標を掲げた。

昨秋は大学デビューシーズンで、輝かしい成績を残した。リーグ戦第1節の札幌大戦で初先発し初勝利。4戦に登板し無傷の4連勝を挙げ、エース河村との2本柱で優勝に導いた。最多勝利、新人賞、ベストナインも獲得。「秋はできすぎ。今年はマークされる」と、冬はさらなる進化を目指し、カットボールとカーブを習得。河村から「使えると便利だよ」と助言を受けていた球種だ。「河村さんの緩急を生かした配球はプロでも生きている。見習って配球の幅を広げ、勝負したい」と意気込んだ。

河村には他にも大きな贈り物をもらった。この春、チームにハイテク測定機ラプソードが届いた。球速など基本的なものから回転数、回転軸、変化量などの詳細まで幅広くデータ取得が可能で、米メジャー球団やNPB球団も複数取り入れている。初めて使用した伊東は「回転軸なども考えることで、より打たれにくい球を投げられる。新しい試みも生かした投球につなげられたら」。尊敬する先輩からのプレゼントを最大限活用する。

冬場の筋力トレで体重は5キロ増の72キロに。最速は昨秋の北海道地区王座決定戦でマークした146キロのままだが「抜いたストレートでも球速が出るようになった。平均速度は上がっている」と手応えを口にした。目標はプロ入り。まだ大学2年だが、絶えずアピールし、尊敬する河村に続く。【永野高輔】

◆伊東佳希(いとう・よしき)2001年(平13)6月22日、富良野市生まれ。滝川第三小2年時に滝ちび野球クラブで競技を始める。遠軽中から旭川北に進み、高校では1年春に背番号15でベンチ入り。3年夏はエースで北北海道大会4強。星槎道都大では昨秋のリーグ戦でデビューし4勝0敗で優勝に貢献。北海学園大の稲原周作と並び最多勝。ベストナイン、新人賞も獲得した。目標とする選手はロッテ河村。家族は両親と姉、妹。172センチ、72キロ。右投げ右打ち。