プロ初勝利に挑む。広島玉村昇悟投手(20)が6日、本拠地マツダスタジアムで9日中日戦(バンテリンドーム)先発に向けた調整を行った。4月29日DeNA戦でのプロ初登板初先発は、2本のアーチを浴びるなど5回5失点で、プロ初黒星を喫した。首脳陣から与えられた「追試」ともいえる次回登板では、白星をつかみ、先発生き残りをアピールしたい。

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先輩投手に囲まれ、20歳玉村も次回登板に向けて調整を行った。5回5失点(自責4)のプロ初登板から再びもらった登板機会に、目の色を変える。「(前回は)真っすぐとスライダーしか使えていなかった。カーブやチェンジアップをうまく使っていけたらいい。しっかりと打者と勝負していきたいと思う」。9日、バンテリンドームでの中日戦にプロ2度目の先発マウンドに上がる。

プロ初登板では結果以上の好印象を残した。球の出所が見えづらい独特なフォームから繰り出される球はスピードガン表示以上の速さとキレを感じさせた。横山投手コーチは「外国人2人に1発は打たれましたけど、あんな打者はファームにいないので。ああいう打者をいかに抑えていくかが、今後の課題。広いナゴヤドームならいい投球を期待できるんじゃないか」とプロの洗礼を受けた後の登板で示す変化を求める。

他球団の同学年投手はヤクルト奥川がオリックス宮城に続き、プロ初勝利を手にした。奥川とは高校が隣県同士だったこともあり、何度も対戦し、変化球談議も交わした仲。親交があるだけに「追い抜きたいです」と強く意識する。近年、広島では高卒2年目のブレーク投手が目立つ。18年は高橋昂が開幕ローテ入りしてプロ初勝利。同年アドゥワは中継ぎで53試合に登板した。19年には遠藤が同じく中継ぎとしてプロ初勝利と若手投手が早期に結果を残す流れがある。

チームは引き分けを挟み6連敗中。13勝18敗3分けと黒星が先行する。重苦しい停滞感を打ち破るには、若いフレッシュな力も欠かせない。「ドンドン押していくのが自分のスタイル。緩急を付けながらやっていきたい」。若き左腕が同世代としのぎを削り、先人たちが歩んだ高卒2年目初星ロードを目指していく。【前原淳】