国学院大が、10年秋以来の優勝に王手をかけた。優勝をかけた直接対決で、タイブレークの末に接戦を制した。

鳥山泰孝監督は「本当に国学院大らしく、全員の魂が1つになって戦った結果です。(次戦へ)必ず気迫で相手を上回って、何が何でも白星を勝ち取りたい」と話した。

3回に2点を先制。5回には山本ダンテ武蔵外野手(4年=大阪桐蔭)のリーグトップとなる5号2ランで追加点を挙げたが、終盤に追いつかれ5-5のままタイブレークに突入した。

10回1死一、三塁で主将の福永奨捕手(4年=横浜)に回った。ベンチからの「楽しんでいこう」という声が、しっかり耳に届いた。外角のスライダーをとらえて、左中間フェンス直撃の適時二塁打を放ち、1点を勝ち越し。「(7回に自身の)ゲッツーで悪い流れになったので、ここで打つしかないと思った。回りが後押ししてくれました」とチームメートに感謝していた。

その裏は1死一、二塁から三振併殺を奪い、無失点で切り抜けた。空振り三振を奪った直後に、二塁走者を刺した福永は「想定外のプレーでしたが、うまく回りが見えました。走者が目に入ったので、慌てずに余裕を持って投げられました」と話した。

3番手として8回2死二塁から登板した楠茂将太投手(3年=旭川大高)は2回1/3を無安打無失点に抑え、流れを引き寄せた。「今まで先輩や1年生の坂口が頑張ってきてくれたので、絶対に俺が抑えてやるんだという気持ちで乗り切れました」と振り返った。

悲願の優勝まで、残り1勝。14日の第2戦に向けて、福永は「とくに変わらずに、結果として優勝できればいい」と自然体で臨む。