BC・埼玉のエースで、元ヤクルト、楽天の由規投手(31)が、6回1安打3奪三振無失点の好投で勝利を手にした。これで、開幕戦から無傷の6連勝。不安定な天候状態の中、スタンドからエールを送り続けた本拠地のファンに、最高のプレゼントでこたえた。

柔と剛を合わせた、スマートな投球だった。走者がいない場面では、変化球を中心に組み立て打者を手玉に取った一方、得点圏に走者を背負った場面では力のこもった直球で押し込んだ。「試合の前から、その時々でいちばんいい球を使っていこうと話していました」。

圧巻は、1点をもらった直後の4回だ。2死一、三塁の場面で5番カブレラを迎えると、もう一段階ギアを上げた。140キロ台の直球を連投し、4球目でボテボテの遊ゴロに料理。「(直球は)振り遅れていたので続けました。自分のペースで投げられたのが良かった」。一塁側ベンチ前で、ナインとハイタッチを交わし、喜びを分かち合った。

初登板となった4月3日の開幕戦から無傷の6連勝。スタンドからは、NPBのスカウトも視線を送る。「それ(NPB復帰)は周りが評価することなので、特に自分で意識することはないです。それよりも今チームは首位で雰囲気もいいので、自分も流れに乗せてもらっています」。悲願のNPB復帰に向けて、BCリーグの舞台でさらなる進化を遂げる。【勝部晃多】