TDK(秋田)が、5-1でトヨタ自動車東日本(岩手)を下し、5大会ぶり6度目の優勝に王手をかけた。最速153キロ右腕・小木田敦也(22=角館)が4安打1失点完投。同年齢の大卒ルーキー斎田海斗外野手(22=東日本国際大)が先制打を含む2安打1打点で勝利に貢献した。

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昨秋の都市対抗野球に続き、2季連続の東北王座を狙うTDKが前年度覇者の貫禄を示した。

2回、先頭の5番深江大晟(24=東北福祉大)が右中間三塁打、続く斎田の中前打で難なく先制した。5回1死二塁の場面では、1番北畠栞人(23=八戸学院大)が、交代直後の相手2番手の初球を右越えに運ぶ中押しの2点本塁打。6、7回にも追加点を挙げダメ押しした。全4打席出塁の北畠は「(投手の)代わり際でランナー二塁だったので引っ張ろうと思った。真ん中寄りの変化球で、うまく乗った」と社会人公式戦4本目の本塁打に笑顔。斎田も「同年齢の小木田が頑張って投げていたので楽にさせたかった」と援護した。理想的な試合運びに、佐藤康典監督(51)は「上出来。北畠の1発が効いた。斎田も3~5番に続くクリーンアップの一角と思っている」と活躍を認めた。

投げては小木田が要所を締めて勝利に導いた。初回立ち上がりに連打を浴び、3球で無死一、二塁の窮地を背負ったが、すかさず修正。後続を捕邪飛と併殺打に仕留めた。続く2回は、2死から7番打者をこの日最速の148キロ直球で空振り三振に仕留め波に乗り、2~7回まで無安打に抑えた。捕手交代直後の8回に2安打で1失点した小木田は「詰めの甘さが出た。点差が開いて気が抜けた部分があった」と反省した。

今日7日の決勝は、2大会連続優勝を狙う七十七銀行と戦う。昨秋の都市対抗・第1代表決定トーナメント2回戦は4-1で勝っている。佐藤監督は「去年の優勝で自信をつけた。連覇できればもっとチーム力は上がっていく。総力戦で戦いたい」と5大会ぶりの全国社会人選手権切符を狙う。【佐々木雄高】