昨秋王者の北洋大が開幕戦で北海道教大旭川を7-4で下し、白星発進した。教育実習などで1年生6人を含む登録9人の相手を、終盤に突き放し、苦しみながら1勝を挙げた。主将の成田登夢一塁手(3年=松本国際)は「あまり実戦ができず不安もあったが、まず1つ勝てて安心している」と振り返った。

7月下旬、部員に新型コロナウイルス感染者が出たため8月中旬まで約3週間、全体練習を休止した。今月12日に再開するまで自主練習で、8月の対外試合は14日の東海大北海道戦の1度のみ。さらにエースの後藤晟(3年=松本国際)が右肘痛のため登板回避と、少ない実戦機会、限られた戦力での戦いだった。ただ1人の4年生で、この日2安打1打点の高杉大夢右翼手(北海道栄)は「どんな形でも初戦を取らないと始まらない。今日は勝てたことが大事」と前向きにとらえた。

前校名の苫小牧駒大で臨んだ昨秋は、エース伊藤大海(日本ハム)を軸にリーグ制覇も、コロナ禍で明治神宮大会は中止。高杉は「大海さんに『来年頼んだぞ』と言われた。オリンピック(五輪)で活躍する姿も見せてもらい勇気づけられた」。五輪金メダルに貢献した偉大な先輩の言葉を、秋連覇への力にする。【永野高輔】