明桜出身のルーキーが「一戦決勝」の精神でノースアジア大(秋田)の下克上優勝に貢献する。北東北大学野球秋季リーグは3度の延期を経て19日に開幕。同大は初戦で青森大と対戦する。春季リーグは2回戦総当たりで2勝8敗の5位。しかし、今秋は1回戦総当たりとなり、1試合の重みが増す。系列校のノースアジア大明桜(秋田)で昨夏の秋田独自大会優勝の原動力になった五十嵐新平捕手、最速146キロ右腕・橘高康太投手(ともに1年)の活躍に期待がかかる。

早くも正捕手の座をつかんだ五十嵐新は春季リーグ全10試合に出場し、9試合で先発した。「バッターのレベルが上がり、高校の配球だと全然通用しなかった」と洗礼を浴びたが、今秋はベストナイン賞を目標に掲げ「北東北を代表するキャッチャーになりたい」。昨夏は甲子園が中止となり、秋田王者に輝きながら聖地に立てなかった。今夏、明桜が夢舞台で1勝を挙げ「後輩たちが頑張る姿を見て、自分も負けてられないと元気をもらいました」と大きな刺激を受けた。

橘高は春季リーグでは3試合に救援登板した。今秋は「完封してチームに貢献したい」と先発の座を狙う。「北東北はすごい投手がたくさんいるので、タイトルは難しいかもしれないが、存在感を見せられるように頑張りたいです」。昨夏、明桜で背番号「1」を背負った佐々木湧生(ゆう)投手(1年)は母校の聖地勝利に「昨年は甲子園に出られず、悔しい気持ちを後輩に託したので、勝ってくれたのはうれしかったです」。けがの影響で今リーグは登板できないが、サポート役に徹する。

明桜の合言葉は「一戦決勝」。OBとして目の前の1試合にかける思いは変わらない。【山田愛斗】