西武は30日、オンラインで編成会議を行い、今秋のドラフト会議で指名する選手約70~80人をリストアップして絞り込んだ。渡辺久信GMは会議終了後にオンライン取材に対応し「補強ポイントはピッチャーもそうですし野手もそうですし。いろんなポジションそれぞれ補強ポイントがあります」。選手の状態、ドラフト当日のシミュレーション、そして他球団の動向を確認したという。

1位指名選手に関しては「まだ決まっていないです、それは。もしかしたら当日まで決まらない可能性もあるかもしれない」と明言を避けた。高校生のノースアジア大明桜(秋田)・風間球打、市和歌山・小園健太、高知・森木大智の3投手について「上位ですね3人とも、上位で消えると思います。(1位に)入ってくると思いますよ」と評価。また大学生左腕トリオ西日本工大・隅田知一郎(4年=波佐見)、関学大黒原拓未(4年=智弁和歌山)、筑波大・佐藤隼輔(4年=仙台)の名前を挙げられると「左もそうですし、すべて補強ポイント。誰を選ぶかです」とけむに巻いた。

チーム事情をかんがみると、投手陣の底上げは喫緊の課題となっている。今季5位に甘んじるチームは、リーグ唯一の防御率4点台(29日終了時点)でリーグワースト。18年から4年連続リーグワーストとなる可能性が高い。11勝の高橋光成を柱に、今井達也、松本航らが苦しみながらも経験と実績を積んでいる。一方で、そこに続く1軍先発陣は今季台頭したばかりの渡辺勇太朗のみ。西武伝統の本格派右腕はそろうが左腕不足は深刻で、即戦力の補強が不可欠だ。複数の関係者の話を総合すると、JR東日本の最速153キロ左腕・山田龍聖投手(21=高岡商)が大学生左腕トリオ含め1位筆頭候補に挙がってくると思われる。

渡辺GMは、昨年のドラフト会議では7人中5人野手を指名し、戦略的に補強。4位指名の若林楽人外野手が一時は1番中堅に定着し、左膝を負傷した5月30日までの出場44試合で20盗塁をマークした。1位渡部健人内野手は1軍でもプロ1号を放ち、イースタン・リーグでは本塁打王争いを演じている。6位入団のブランドン内野手を含め大卒トリオは、将来の主軸候補に挙げられる。

毎年、明確なビジョンを描きながら指名していく同GM。「例年そうですけど、選手自体は今年もいると思います。不作とかではない。育成合わせて10人くらいになるんじゃないか」と、10月11日の当日まで新戦力候補を見極めていく。