阪神佐藤輝明内野手(22)が28日、プロ2年目の沖縄・宜野座キャンプを終えた。最終日はフリー打撃、シートノックなどで汗を流し、正午過ぎに打ち上げた。

1カ月間、新任の藤井康1・2軍巡回打撃コーチとフォーム固めに取り組んで来た。「しっかり軸で立つことは意識していますね。去年とは構えから違うし、そういうところは変わってきている」。紅白戦を含め、実戦全9試合に出場し31打数14安打で打率4割5分2厘、2本塁打、5打点は全てチームトップ。「今まで感覚に頼っていたところが多かったんですけど、理論できちっと頭で理解して振るということを、この1カ月間やってきた。波が少なくなった」と言葉から手応えがにじみ出た。

心境の変化も成長を後押しした。ルーキーイヤーとは違い、気持ちにゆとりができたという。「去年は本当に必死だったんですけど、今年はすごい、いい意味で余裕を持ってできたかなと思います」。後輩の遠藤と毎日キャッチボールを行い、求められれば助言も惜しまなかった。16日のケース打撃ではセーフティースクイズを敢行するなど、周囲を驚かせる視野の広さもあった。

矢野監督も2年目の進化を感じ取っていた。「去年の後半苦しんだところから、新たな自分というのが見つけられたと思う」。大山との4番争いでも堂々と結果を残し続けている背番号8を「結果を出しているというところで言えば、テルの方が結果が出ている現状になっているのかなと思います」と評価した。

佐藤輝は「非常にスッキリした気持ちで、いい感じで終われたんじゃないかなと思います」とすがすがしい表情。最後、報道陣に「関西に帰ってやりたいこと」を問われると「練習です!」と言い切り、キャンプ地を後にした。【中野椋】