JR九州が、9回表に一挙5点を返し、逆転勝利を納めた。

強いスイングをする-。1-4で迎えた9回表。1点を返し、なおも無死一、三塁。打席に立った山脇彰太内野手(22=上武大)は、心の中で何度も繰り返した。カウント1-1からの真っすぐを振り切り左越え打に。2者生還し、同点に追い付いた。火がついたJR九州打線は止まらない。この回さらに2点を挙げ、逆転に成功。勝利につなげた。

社会人1年目、山脇は初めての公式戦で、大学時代の恩師の教えを生かした。「もともとチャンスに強くなかった」と振り返るが、谷口英規監督の「チャンスの時こそ、積極的に」という言葉を胸に大学4年間、野球に取り組み、強く変わった。野中憲二監督も「勝負強い選手。何かやってくれるんじゃないかと思っていました」と勝負どころをルーキーに託した。

山脇は「僕は身長が小さいので(173センチ)、相手になめられて真っすぐばかり投げられるのは嫌。もっと長打を伸ばして、相手に注意されるような打者になりたい」と、強気な一面ものぞかせた。ルーキーの活躍とともに、JR九州は好スタートを切った。【保坂淑子】