“新生”九州国際大が春5連覇を目指す福岡大に10-9でサヨナラ勝ちし、河野拓郎新監督(30)にとっての初勝利を挙げた。河野監督は、昨秋リーグ戦限りで勇退した伊藤健治監督(71=現総監督)のあとを継ぎ今春就任。内野手として7年間ヤマハに在籍し、社会人の強豪チームで身に付けた練習法で打線を強化した。成果が実り、15安打10得点で打ち勝った。

九州国際大が、名門復活への今季初白星を挙げた。7回に2ランで追い付き、9-9で迎えた9回2死二塁。8番川村徹外野手(4年=松浦)が「次につなぐ意識で強いライナーを意識した」打球を遊撃手がはじき、サヨナラ勝ちした。

3度リードを許す展開から、執念の粘り勝ち。昨秋限りで退任した伊藤前監督はリーグ通算23回優勝も、近年は低迷。OB河野監督の改革が実を結んだ。ヤマハで身に付けた練習法を導入。メディシンボールや縄跳びなどを組み合わせた12種類のサーキットトレで、スイング速度が向上した。

伊藤前監督の誘いで昨年1月から指導し、今春ヘッドコーチから昇格。初勝利に「選手の頃より試合は疲れるが、粘り合いで今日勝てたことは自信になる」と選手をねぎらった。大学で本塁打王に輝いた新指揮官のもと、九州国際大が新たな1歩を踏み出した。【菊川光一】