阪神が連敗街道から脱出した。6連敗中だった負の流れを断ったのは、2試合連続で2番に入った佐藤輝明内野手(23)だ。1点を追う5回2死二塁。巨人先発菅野のスライダーをすくうと、ライナーで右翼席に運んだ。4号逆転2ランで勝負の流れを変えた。

5日DeNA戦(甲子園)の1回に3点を挙げて以来、実に82イニングぶりの1イニング複数得点を刻んだ。8回にはロハスが2号2ランを放ちリードを広げた。

開幕からの巨人戦連敗も3で食い止めた。新型コロナウイルス感染のため、開幕投手を回避していた今季初登板初先発の青柳晃洋投手(28)が踏ん張った。1回に先制点を献上したが、その後はコーナーを突く丁寧な投球が光った。1点リードに転じた6回は1死一、二塁のピンチで坂本をカーブで体勢を崩して中飛。丸をカットボールで遊ゴロに詰まらせた。力投で今季初勝利を挙げた。

負けていれば勝率はついに5分台(5分9厘)に突入、首位巨人と11・5ゲーム差に広がっていた。阪神は球団史上、2桁ゲーム差を逆転して優勝したことがない。危機的な状況に追いつめられていたが、ようやく今季2勝目。今季初の甲子園での「伝統の一戦」で踏みとどまった。