開幕戦は函館大が延長10回サヨナラ勝ちで旭川大を下し、18年秋以来のリーグ制覇へ白星発進した。先発左腕村田澪斗投手(4年=函館大有斗)が146球2安打9奪三振1失点の完投で、チームに勝利を呼び込んだ。昨年春秋を制し3季連続の優勝を狙う東農大北海道は、10安打17得点の5回コールドで勝利をおさめた。

初の開幕投手を任された村田澪が起用に応えた。延長10回146球、許したのはわずか2安打。最少失点で役割を果たした。「いつもと違う雰囲気はあった。いつもは(開幕)2試合目に先発していて、その準備をしてきたけど、1試合目で投げさせてもらえてよかった」と手応えを十分に感じるマウンドだった。

6回まで互いに無失点と相手先発原田大史投手(4年=クラーク)との根比べになった。「最初から投手戦だと思っていた。(勝負は)投手次第だと」。7回2死満塁から暴投で先制点を献上。その回ベンチに戻ると、ブルペンに向かいフォームを修正し、そこから踏ん張った。「前に突っ込んでいたので、もうちょっと軸足に乗せて投げることを意識した」。8回9回と走者を出しながら無失点。10回は3者凡退で流れを引き寄せ、その裏1死満塁から4番岡田昂大三塁手(4年=クラーク)の二塁適時内野安打でサヨナラ勝利をつかんだ。

開幕前3月の宮崎遠征と4月の青森大との練習試合で、計6試合20イニングに登板し計2失点と安定した投球を続けてきた。昨秋リーグ戦ベストナインの枯木匠登投手(4年=横浜創学館)が調整不足の中、この日の村田澪の好投に阪内俊喜監督(65)は「エースの自覚を持っている。よく投げてくれた」とたたえた。

これでリーグ戦9勝目。チームとして春は10年以来12年ぶり、18年秋以来となるリーグ制覇を目指す。村田澪は「上(全国)でやりたいので、なんとしてでも勝つしかない」と語気を強めた。【山崎純一】