新潟コンマーシャル倶楽部が全新潟ブラックスに6-2で勝ち、第2次北信越地区大会にコマを進めた。先発の五十嵐樹希投手(22)が10奪三振、2失点で完投勝利。清和大4年時に内野手から投手に転向した右腕の好投で決勝進出を決めた。決勝と第3代表決定戦は18日に同球場で行われる。

ボテボテのゴロが三塁手の前に転がった。新潟コンマの五十嵐が、前打席でソロ本塁打を浴びている地濃優人一塁手(20)を三ゴロに仕留めて、ゲームの幕を引いた。「直球で押して、緩い球でかわせた」と最後に投じたカーブでリベンジを果たした。最速145キロの直球にカットボール、チェンジアップをまじえて、9回を5安打2失点、10個の三振を積み上げて完投勝利を決めた。

「ここのところ、ずっと不調だった。球が走らない」と五十嵐は話していたが、この日の投球で不調を脱した。古川昇監督(47)は「とにかく気合を入れて行け。気持ちにスランプはない」と先発に起用。その期待に応えて、うなり声を発しながら力投した。「気迫で押して、自分も乗ってきた。調子も上がった」と五十嵐。不調な時期にノースローで走り込んだのも、投球の安定につながった。

五十嵐はもともと内野手。村上桜ケ丘でも、清和大でも二塁手を務めていた。投手転向にひと役買ったのは、母校・村上桜ケ丘の松田忍監督(79)。昨年、コロナ禍で大学のある千葉からの帰省中に、五十嵐のフォームを見た同監督が清和大の監督に転向を進言。遅咲きの投手が誕生した。「ピッチャーの方がいいですね」と五十嵐は完投勝利の喜びをかみしめていた。

◆第2次予選 18日に決勝と第3代表決定戦が行われ、上位3チームが県代表として、全日本クラブ野球選手権第2次北信越地区大会(8月6、7日=富山県)に出場する。