やっぱり村神様ヤ!! ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、自身初となる3打席連続本塁打でチームを勝利に導いた。

まずは2点を追う7回無死、左腕・渡辺から左翼席へ35号ソロ。1点を追う9回1死では、守護神・岩崎の初球を右翼席へ36号ソロ。とどめは延長11回2死一塁、右腕・石井から左翼席へ勝ち越しの37号2ランを放った。チームの全得点をたたき出す大活躍で連敗を2で止め、2位との差を再び10ゲーム差に離した。

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延長11回、村上の打球が上がった瞬間、阪神ファンの悲鳴が響いた。打球は浜風に乗って左翼席へ。悠然とダイヤモンドを周回し、ナインと歓喜のハイタッチを交わすと「最高にあのシーンはうれしかったです」。3発でチームを勝利に導くと、お立ち台に慣れっこの主砲も「なんかあんまり実感が湧かないです。今日の試合を勝てたことが、すごく良かったです」と素直な感想をもらした。

左投手も、強烈な浜風も“村神様”には関係なかった。まずは劣勢の7回無死、左腕の渡辺に対し、カウント1-2からの4球目、外角高めスライダーに反応。「チャンスメークする気持ちで打席に入りました。強引にいかずコンパクトに打つことができました」と、逆らわずに左翼席へ反撃ののろし上げた。

さらに9回1死では、同じく左腕の岩崎に対し、初球の内角高め141キロ直球を捉えた。打球は右翼から左翼方向に強く吹く、甲子園特有の浜風を切り裂き、右翼席最前列に着弾。悠然とダイヤモンドを周回すると、次打者サンタナとエルボータッチで喜び合った。

今季の対右投手は打率2割9分6厘、26本塁打。一方で対左は3割5分9厘、11本塁打と、左腕をまったく苦にしない。

好調だったチームは7月2日に2リーグ制後では史上最速となる優勝マジック53を点灯させたが、同8日以降に新型コロナウイルス感染者が続出し、苦境に陥った。7月成績はこの日まで6勝13敗の負け越し。19勝4敗と絶好調だった6月から成績を落とし、高津監督が「ここが踏ん張りどころ」と危機感を強めていた第3戦で、主砲が意地を見せた。「こういう試合をものにできたのはすごく良かった」。聖地でさらに覚醒した「村神様」が、しっかりチームを引っ張っていく。【鈴木正章】

▽ヤクルト高津監督(3連発の村上に) すごいね。今のムネなら不思議じゃないというか。みんなの期待通りのバッティングが出来ているよね。

○…中継ぎ陣が、無失点リレーで勝利に貢献した。先発原が4回途中5安打2失点で降板も、コロナから復帰2連投となった清水、田口を軸に、小刻みな継投で阪神打線を封じた。高津監督も「ムネ(村上)が3発打って勝ったのは間違いないと思うけど、リリーフもよく粘ったと思う。投げる方も守備の方もよく粘ったと思う。だからムネの3発が余計際立つ」と評価した。

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