「村神様」が村上を超えた。ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、史上最年少で40号に到達した。8回に広島ターリーのチェンジアップを捉え、昨季マークした自己最高の39本を塗り替えた。22歳シーズンでの40号到達は63年巨人王貞治、85年西武秋山幸二の23歳を上回る最年少記録。99打点とともに2冠独走中で、令和初の3冠王も視野に入れながらシーズン終盤を走り抜く。チームは敗れ、今季ワーストタイの6連敗となった。

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確信の1発は右翼中段席まで伸びていった。4点を追う8回2死、村上はカウント1-1から高めに浮いたチェンジアップを、真芯でとらえた。敵地スタンドも見上げる大きな1発。22歳シーズンで、史上初めて40号の節目に届いた村上は「長い歴史の中で最年少記録を塗り替えられたことは素直にうれしく思います。今まで指導し使い続けてくれた監督、コーチの方々に感謝いたします」と周囲への感謝を口にした。

2連覇を狙うヤクルトの4番を担い、2日中日戦では5打席連続本塁打を記録。数々の新たな記録を打ち立てた村神様。目標にしていた40号という節目をクリアして、上方修正するほど勢いは止まらない。「目標は目標でシーズン始まる前の目標。それをクリアできることはすごくいいことですけど、そこは通過点かなって思うので、もっともっといい成績を残していきたい」と上積みを狙う。

追う立場から追われる立場になり、昨季とは違ったムードを感じている。独走態勢に入った今季とは違い、昨季102試合終了時点ではまだ3位だった。「去年とはちょっと違う順位で、違う感じ。去年の経験というよりかは、また新たに挑戦して優勝したい」。プレッシャーを感じる日々で、母校・九州学院(熊本)が7年ぶりに甲子園出場。弟慶太(3年)の活躍に「感動しましたし、刺激になりました。僕も頑張りたい」。発奮材料に変えていた。

残り41試合。40本塁打、99打点は独走状態。打率も急浮上させ、令和初の3冠王に最接近している。「日々の積み重ねがこういう結果になっていると思いますので、これからも1日1日努力し成長して、シーズンを通してチームとしても良い結果を残したいと思います」。いくつもの金字塔を打ち立てても、村神様のスタンスは変わらない。【栗田成芳】

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