大車輪の活躍だ! 広島西川龍馬外野手(27)が巨人19回戦(東京ドーム)で3安打3打点と大暴れ。チームを4日以来の4位に押し上げた。下半身コンディション不良で一時は戦列を離脱していたが、6日阪神戦で1軍復帰。再合流後は6試合で11安打を放っている。5試合連続で打点も挙げ、好調を維持。西川復帰後はチームが6戦で5勝1敗と好循環を呼んでいる。

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真っすぐに伸びた左翼線。そのわずか内側で西川が放った白球は、はずんだ。1点を追う8回無死一塁。巨人5番手平内にカウント1-2と追い込まれながら、高めの149キロをバットの先でとらえ、左翼線に落とした。代走の一塁走者曽根が一気に生還し、同点に追いついた。「海成(曽根)がよく走ってくれた。海成に感謝」。激走ヘッドスライディングのスーパーサブに頭を下げた。

この試合は今季初めての5番起用だった。秋山、マクブルームのあとを受ける打順。「チャンスをかえすのが仕事」と役割は重々理解していた。佐々岡監督も「龍馬(西川)の調子と(それまで5番が主だった)坂倉の状態を見て、西川の方が先だと考えた」と起用の意図を説明。試合前で5戦8安打のヒットマンの力量を買った。

実際にこの日は4打席中、3回が走者のいる打席だった。初回は2死一、二塁。左翼線への2点先制適時打で応えた。5回1死二塁では一ゴロだったものの、4-5の8回無死一塁では同点適時二塁打。「前の打者がチャンスをつくってくれる。今日は5番でしっかり走者をかえせて良かった」。期待に応える3安打にうなずいた。

6月に下半身コンディション不良で出場選手登録を抹消されたが、6日に戦列復帰。復帰後は6戦11安打と好調で、チームも6戦5勝1敗と好循環を呼んでいる。指揮官は「5番西川という強力な打線になった。きのう(11日)までは4番を打っていて、今日は5番で“つなぎ”というところ」と、打線に流れを呼ぶ背番号63を高く評価。西川自身も「(状態は)悪くない。うまく対応できている」とうなずく。今季4度目の4連勝で4位浮上。借金は「2」まで減り、完済も見えてきた。後半戦の広島打線は「5番西川」がキーマンだ。【前山慎治】

○…先発大瀬良は2被弾などで5失点し、3回で降板した。1回に2点の援護を受けたがその裏、丸に同点2ランを浴びた。1点勝ち越しを許した直後の3回には、1死一塁から4番中田に2ランを運ばれた。「球の強さがあってもコントロール、制御ができていない。その辺が今日に限らず、できていない試合が続いている。1軍にいる以上は現状打破していかないといけない」。チームは逆転したが、勝ち星は6戦遠ざかる。

○…小園が決勝犠飛を放ち、今季3度目のヒーローに選ばれた。同点に追い付き、なお1死三塁の8回。平内の初球を中堅に打ち上げ、飛距離十分の犠飛で三塁走者西川を迎え入れた。「なんとか当てることだけを意識した。(調子が)悪くもなく,良くもなく入れている。良い方向にもっていけるようにしたい」。連続試合安打は「11」で止まったが、殊勲の一打に笑顔を見せた。

○…栗林が今季2度目の3連投で試合を締めた。1点リードの9回に登板。石川、ウォーカー、吉川を3者連続三振で23セーブ目を挙げた。「体がきついとかもない。ブルペンの雰囲気も良い。(13日も)もちろん出番があるなら準備するし、休みならしっかり休んで次の試合に準備する。自分は(4連投)行くと思って過ごしたい」。2年間で1度もない4日連続の登板も視野に勝利の余韻に浸った。

▽広島ケムナ(4-5の7回を3者凡退。直後に逆転し、3勝目)「僅差の試合で投げさせてもらえてうれしい。チームが勝てた要因の1つになれたのがうれしい」

▽広島マクブルーム(4戦ぶりの先発で2安打1打点)「(チームが)勝てたことが非常に良かった。体調を整えようと休みをもらった。今は大丈夫」

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