中日上田洸太朗投手(20)が7度目のチャレンジで待望のプロ初勝利を手にした。6回を2安打無失点に抑える完璧な投球を披露。好投しながら勝利の女神に見放されていた高卒2年目の育成出身投手が大きな1勝をつかみ取った。「初めての中6日でしたが、準備もしっかりできて自分の仕事をこなせたと思います」と振り返った。育成ドラフト出身では、球団では2人目の勝利投手だが、先発では初めてだ。

2日前の6日に20歳の誕生日を迎えたとは思えない老練なピッチングを展開した。この日の直球の最速は140キロ。自らピッチングの軸に据えるチェンジアップとカットボールを巧みに操る。立ち上がりは先頭野間にストレートの四球も、2番菊池涼を落ち着いて三ゴロ併殺に仕留める。6回も先頭野間を歩かせたが、1死から秋山を二ゴロ併殺。最後まで広島打線を翻弄(ほんろう)した。

好投を続けても打線の援護や巡り合わせに恵まれず、ここまで6度の先発で黒星が4個。「ゼロに抑えれば負けることはないので、そこを目指してやっていきたい」と常に前向きな姿勢を崩さなかった左腕にようやく女神がほほ笑んだ。

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