ソフトバンクは痛恨のサヨナラ負けで、優勝マジック1のまま足踏み。目前に迫ったリーグ優勝を決めきれなかった。それでも、前日9月30日楽天戦で負傷交代していた柳田悠岐外野手(33)が即スタメン出場し3安打。一時同点に追いつくソロ本塁打を放つなど、元気な姿を見せた。今季ラスト1試合。2日ロッテ戦(ZOZOマリン)で今度こそ決める。

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無情の打球が、西武ファンの待つ左翼スタンドに吸い込まれた。同点の11回、セットアッパーの藤井が西武山川にサヨナラ2ランを浴びた。あとアウト4つ。引き分けでも優勝という状況だったが、目前でスルリと逃げた。打たれた藤井、海野のバッテリーはベンチに戻った後、悔し涙を流した。藤本博史監督(58)は「責められないですよ。しょうがないですよ。相手のいることですから。藤井がやられたけど、今まで頑張ってくれてるわけやから。こういう試合もありますよ」と右腕をかばった。

明るい材料はある。前日9月30日の楽天戦で後頭部を外野フェンスに打ち付け、途中交代していた柳田が「4番右翼」で先発出場した。試合前練習の段階で藤本監督は「まだ(出場できるかは)分からないね。動いてみないと。本人は出るって言うてるけど」と心配そうな表情だった。だが、柳田は力強いティー打撃を行った後、フリー打撃のケージへ。柵越えする打球もあるなど周囲の不安を払拭(ふっしょく)する打撃を見せた。柳田自身が出場を志願していたこともあり、首脳陣はゴーサインを出した。

柳田は2回、4回に右前打。1点を追う9回には延長に持ち込む大きな同点23号ソロを放った。藤本監督は「だいぶ痛いと思いますよ。痛いと思うけど、キャプテンとして頑張ってくれている」。首に湿布のようなものを貼りながら、満身創痍(そうい)で戦う主将をほめた。

泣いても笑っても残すはあと1試合。優勝マジック1のまま、今季最終戦の2日ロッテ戦(ZOZOマリン)に臨む。藤本監督は「勝って優勝できるのはうちだけですから。明日勝って優勝します」とキッパリ。柳田も「切り替えて明日全員で勝ちにいくだけです。とにかくリーグ制覇できるように頑張ります」。敗戦を引きずる様子はなく、気持ちを切り替えていた。【山本大地】

○…ソフトバンクのエース千賀は7回1失点の粘投も優勝には導けなかった。0-0の4回1死満塁で栗山に中前適時打を献上。負けられない一戦で先制点を与えた。右腕は「今日の投球に関しては、話せることがありません。明日はチームメイトを信じて応援します」と肩を落とした。中5日登板で108球。大黒柱の熱投は実らなかった。

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