中大の最速155キロ右腕、西舘勇陽投手(3年=花巻東)が8回まで青学大打線を無安打に抑える快投を演じた。9回には先頭の藤原に左越えに初安打を許すと、その後は立て続けに2連打を浴び1失点。そこから3人を抑え、3安打1失点で初完投勝利。今季4勝目を挙げた。「そんな完封や完投とかできると思っていなかったので。1人1人、打者勝負でいけました」と振り返った。

雨が降りしきる中での登板も「少し滑ったりスパイクが重くなったんですが、歩幅を狭めて地面を強く蹴られる工夫をして投げました」。踏み出す足の歩幅を半歩分狭め6歩で投球。悪条件の影響を感じさせない。前半は力強い真っすぐを中心に。後半は今夏磨いたカーブを中心に打者を翻弄(ほんろう)。「自分が不利なカウントからでも自信を持って投げられました」と安定した投球を続けた。

花巻東には、ブルージェイズ菊池雄星、エンゼルス大谷翔平とメジャーで活躍する先輩投手がいる。「僕も憧れで花巻東に入学した」。この日は9球団24人のスカウトが視察。早くも来年のドラフト1位候補と高い評価だ。偉大な先輩の背中を追いかける。【保坂淑子】