さぁ、下克上の始まりだ。春、最下位の中大がタイブレークを制し2連勝。勝ち点を3に伸ばし、首位の青学大に並んだ。

延長10回1死二、三塁、ドラフト候補に挙がる北村恵吾内野手(4年=近江)が「主将として絶対にチームを勝たせる」と思いを込めて打席に立った。「後ろに森下がいる。まずは1点を取ることを考えて、最低限の仕事は絶対する」。カウント1-1から大きな中犠飛を放ち勝ち越しに成功。なお2死三塁から、森下翔太外野手(4年=東海大相模)の打席の間に、暴投で三塁走者がホームインした。

今年、チームが掲げた目標は「日本一」。しかし、春は紙一重の戦いをものにできず、プレーオフも勝ち抜けず最下位に。入れ替え戦を戦い、1部残留に踏みとどまったが、悔しさだけが残った。「プレッシャーがかかる試合でも勝利するために」と、この夏は普段の練習から試合をイメージ。ノック、1球1球のスイングを大事にして練習。紅白戦やシートバッティングにも緊張が張り詰めた。チームの合言葉は「北村と森下に回せ」。その場面を想定した練習も繰り返し、秋は優勝争いを演じている。北村は「自分に回してくれた。走者をかえすのが自分の仕事」と、好機に中犠飛で勝利に導いた。

春、最下位から、秋は頂点へ。中大は優勝の望みをかけて来週、日大と戦う。「いい形で最終カードに入っていける」と北村は力を込めた。【保坂淑子】