春秋連覇のかかる明大が慶大に完敗、今季初めて勝ち点を落とし、首位から転落した。

エース蒔田稔投手(3年=九州学院)が1回に3ランを浴び、いきなり追いかける苦しい展開。2回、安打と相手ミスで1死二、三塁としながら得点できず、そのまま今季初の完封負けを喫した。

勝ち点3のまま、7勝2敗1分け。最終週に慶大が早大に勝ち点を落とす条件つきながら、残る立大戦に連勝すれば、逆転優勝の望みが出てくる。

田中武宏監督(61)は「蒔田は際どいボールが甘かった。いつものコントロールがなかった。他力本願にはなるが、チャンスはあるんで、気を抜くことなく練習をやっていきます」と話した。

○…ドラフトを目前に村松開人二塁手(4年=静岡)には悔しい敗戦になった。「勝負どころであと1本が出なかった。それが敗因だと思います」と悔やんだ。1番として1安打したものの、本塁は踏めず首位を転落した。俊足巧打の内野手で遊撃もこなす。目下打率4割はリーグ2位。前日、神宮を訪れた中日立浪監督が「スイングがいい。ヤクルトの村上選手もそうだが、体の正面、中で(バットを)使えるのが打撃の基本」と評していた。今春は右ヒザ半月板損傷の手術を受け、出場は代打の3打席だけ。主将も務めるだけに、今季にかける思いは強い。逆転優勝をかけて戦う立大戦に向け「やってきたことの質を高めて臨むしかない」と言い聞かせた。